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「ねぇねぇ、みのるおにーさん?」 らっきー☆ちゃんねる出演者控え室。 現在この部屋の主である小神あきらが、直立不動の姿勢で待機しているアシスタントの白石ににこやかに声を掛けた。バリッバリの仕事用ブリッ子モードである。 「え?は…はい、何でしょうかあきら様?」 それに対してマジビビリで、答える白石。声のトーンもいつもより半音高い。 それはそうだろう、未だかつて二人きりの時にブリッ子モードで話掛けられた事など、一度も無かったのだから。普段のあきらの声の掛け方は、「おいコラ白石ぃ!!」がデフォである。もっとも、「白石」の部分はあきらの気分によって変わるのだが。「そこのクソボケ」とか。 「ちょっとあきら寂しいー。みのるおにーさんに隣に来て、座ってほしいな?」 それを聞いて、みのるの精神状態が、「マジビビリ」から「恐慌」にレベルアップした。 え?え?何この状況?あきら様が?僕に?寂しいから隣に来て欲しい? ちょっと待ってちょっと待って。ありえない。それはありえない。 だって「あきら様」だぞ?ありえない理由なんてそれで充分だろう。 しかし現に、あきら様は僕に隣に座って欲しいと言っている。 しかも理由は、「寂しいから」。となると…… あきら様、僕 に ホ レ て る ? いやいやいやいや。無い。無いって白石。クールになれ白石。そんな事有る訳ないだろ。常識的に考えて。 しかし待て白石。 マジでそうだったらどうする? いやまぁ、無いとは思うよ?無いとは。けどさ、仮にマジだったらどうよ? ほら、あきら様は実は僕の事好きで好きでしょうがないけど恥ずかしいからキツく当たってただけで、ホントはいつも隣に座って欲しがってたとか。けどそれを素のキャラで僕に伝えるのは恥ずかしすぎるから敢えて仕事用ブリッ子キャラで来たとか。 いやいやいやいやいやいやいやいや。 妄想に逃げるのは止めろ白石。このままホイホイ隣に座ってみろ。 絶対何かされる。賭けてもいい。絶対に何かとんでもない事が起こる。 しかししかし万が一あきら様が本気だったら 「白石いいいぃいぃぃいぃぃっっっ!!!!」 「うわぉぇあああ!!?」 「てめぇコラこの天下の大女優小神あきら様が話しかけてやってんのにシカトとはいい度胸じゃねえかあぁん!?あんたいつからそんなに偉くなったのよ言ってみなさいよこのクソ白石がぁぁ!!」 「すすすすみませんすみませんっ!!」 「大体アンタ最近ちょっと仕事増えて来たからって調子乗りすぎなのよ!あんたがいくら仕事こなしたってね、この小神あきらさまに敵うわけねーっつーのよ!!」 「はいぃ、おっしゃる通りでございますぅぅっ!!」 完全に素に戻って白石を罵倒しまくるあきら。 それはそうだろう、白石があきらの命令をシカトするなど、あきらにとっては万死に値する行為だ。白石がなじられるのも無理は無い。 罵倒する内容が途中から関係ないことになるのはお約束だ。一分ほどあきらの罵倒が続き、さしもの悪口マシンガンも弾が切れたようで、 「ったく……いいからこっち来なさいっつーの。あんたはつべこべ言わずにここに座ればいいのよ。」 自分の隣の椅子をトレードマークのだぼだぼの袖でぱたぱたと振って示し、白石が座るよう促す。 「えーっとですねあきら様?申し訳ありませんが、その、理由を…」 「理由なんてどーーでもいいのよさっさと座りなさいっつってんのが分かんないワケぇ!?」 「はっ、はいぃぃぃ!」 ダッシュで椅子に座る白石。普段はそれほど素早い訳ではない白石だが、あきらの命令に関してはプロのアスリートもかくやという程の瞬発力を発揮する。主にパシリとか。 飼い犬の悲しい性である。 「えっと、あきら様?座りましたが……?」 「ん、それでいいのよそれで。」 「…………」 「…………」 「…………。」 「…………。」 非常に気まずい沈黙。 完全に「何かされる」と身構えていた白石は、何となく肩透かしを喰らった気分になる。 別に期待していたワケでは無いが、何もされなかったら何もされなかったで不安というか、物足りないというか。 無意識にちょっとガッカリしているあたり、完全にあきらに調教されきっている白石である。 やがて白石が沈黙に耐え切れなくなったようで、何をするでも無く椅子に腰掛けているあきらに声を掛ける。 「あ、あの……あきら様?」 「……何よ。」 「これから僕は、何をすればいいのでしょうか?」 「別に何にもしなくていいわよ。ただ座ってくれてたらそれで。」 「座ってるだけ……ですか。」 「ええ、座ってるだけ。何、何か文句でもあるわけぇ?」 「いえいえそんな滅相もありませんっ!!」 「だったらいいのよ。黙って座ってなさい。」 「は、はぁ……。」 再び流れる沈黙。 先程の沈黙の際はどちらかというと肩透かし感や物足りなさが先に立ったのだが、流石にこれだけ沈黙が続くとどんどん不安が増してくる。というか不気味だ。 これほど口数の少ないあきらを白石は知らない。 いつもならあきらが何もしていない時は、暇潰しだとでも言うように白石をイジり倒しているのだが。何だか調子が狂ってしまう。 数分の沈黙の後、あきらが口を開いた。 「ねぇ、白石?」 「は、はい。何でしょうあきら様?」 やっと再開した会話に、白石は溺れている最中に藁が流れてきたかのように縋りつく。 「あんたさぁ……。さっきもちょっと言ったけど、仕事増えてきたじゃない?本編の収録もそうだしさ。」 「ええ、それはもう。全てあきら様のお陰で御座います。」 「そ。それは別にいいんだけど……」 「あきら様?何か?」 「いやね。ほら、あんたが収録とかで出張っててさ、この控え室にあんたが居ない事も結構増えたな……って。 実際、こうやって控え室に二人ってのも割と久しぶりじゃない?」 「そうですね、確かに。」 「だからね、まぁ、何つーか……ものたんないワケよ。私としては。」 「はぁ……。」 「いや、ホラ、寂しいとかそーゆーのじゃ無いわよ?ただ、ほら、やっぱアンタがそばにいないと落ち着かないっつーか……」 「え?でもあきら様最初に『寂しい』って……。 それにその言い方じゃまるで、あきら様が僕の事を」 「黙れ白石ぃぃいぃぃぃっっっ!!!!」 「ぐぶぉえああぁっ!?あ、あきら様、ナイス右ストレ……がく。」 壁際まで吹っ飛び、顔面がいい感じに歪んで気絶した白石を見て、 「はぁ、はぁ、はぁ……。ったく、そーゆーのは思っても口に出すなっての馬鹿白石が……。」 誰が見ても分かるくらいに赤面+狼狽したあきらが、肩で息をしながら言った。 「あちゃ…気絶しちゃってる?ま、いいか。どうせ白石だしね。 ……あ、そうだ。せっかくだからこの機会に、口に出して言っとこうかな。」 すぅ、と息を吸い込んで、小さい声で、だがはっきりとあきらは白石に伝えた。 「あんたがそばにいてくれないと、なんか嫌なの。寂しいの。わたしのワガママを文句一つ言わず聞いてくれたのって、あんただけだから。 あんたといたら楽しいし、何だかんだ言って、あんたは私の最高のアシスタントなのよ。本当に感謝してる。 本当はもっと一緒に居て欲しいけど、今仕事頑張らなきゃ育たないもんね…。 あんたみたいな、すぐに潰れちゃうようなヘタレは。だから、もう少し我慢してあげるわ。 私がもう少し大きくなって、あんたももっと成長していい男になったら、その時は……」 そこまで言って、急に言葉を止めるあきら。 「……。やっぱし、ここから先は起きてるときに言わなきゃね。気絶して馬鹿面晒してるアホに言っても虚しいだけだわ。さっさと起こすか。」 そう言って、白石の頬をぺちぺちと叩いて覚醒を促すあきら。 もし先程までのあきらのセリフを聞いていたら泣いて喜んでいたであろう白石は、完全にオチてしまっている。 いくらあきらが叩いても、覚醒するのはもうすこし先だろう。 そして、あきらのセリフの続きを聞けるのも。 コメントフォーム 名前 コメント ↓それは私だってヴ ァ -- 名無しさん (2010-06-08 23 20 25) ↓イヤイヤ俺の事だろう。 -- 名無しさん (2010-06-08 12 48 28) ↓俺のことかい? -- 名無しさん (2008-11-25 07 37 37) ナイスツンデレ -- もかもか (2008-01-12 08 26 35)
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「「「つかーれたー!!」」」 ぱたん、と一斉に座り込む。 さすがに慣れない作業、ってのはキツいものらしかった。 ここは鷲宮の大酉茶屋。 イベントと称してみんなで働いた、その後のおはなし。 ジャージでぼーっと突っ立つ白石、机に突っ伏すあきら様。 壁にもたれるようにして目をつむるかがみとつかさ。 さすがに、今日こんなに人がくるとは思っていなかったようだ。 「うー、人が多過ぎたよぉ…」 「あー…びっくりしたぁ…」 「そう…ですね…でも楽しかったですよねー」 あきら様の隣りに座りながら白石が相槌をうった瞬間、ピンクのアホ毛がぴん、と立った。 「だぁいたいねぇ!白石!あんたはパートさんなんだから、あんなにでしゃばらないでよ!」 「…あの、あきら様…一番働いて無かったのは、あなたです。」 「だーってー飽きたんだもーん!」 ぷいっ、とそっぽを向くあきら様。 「そういうことじゃなくて!」 「なんであきらが働かなきゃならないのよー。だいたいねー、あんたがちゃちゃっと働かないのがいけないんでしょー」 「…かがみさんもつかささんも…一生懸命働いてたのに…あきら様ときたら、全く…」 「あの…」 「しかもなーによ、あのマイクパフォーマンス!アドリブも言えないなんて、アシスタントとしてどーかしらー」 「それは!フリが急すぎて…まぁ引きだしがないのがあれなんですが」 「認めたー!この役立たずー」 「…あのー!」 「「なにっ?!」」 見事にシンクロする二人。しかし、2人の視線の先には… 「しーっ…」 かがみの肩に寄り掛かって寝息をたてる、つかさがいた。 「…あらら…疲れちゃったんだね…じゃあきらも寝る」 「えっ?」 「なんかスタッフさんたちの後片付けがあるみたいですから、しばらく大丈夫みたいよ?あたしも眠いし…ふぁ…」 「んじゃ大丈夫だね。おやすみなさい、かがみちゃん、白石。」 「うん…おやすみなさい…」 ぱた、と机に再び突っ伏すあきら様。 そのまま目をつむるかがみ。 取り残された白石。 「えーっと…えーっと…か…風邪ひきますよ?良いんですか?」 「すぴー…すぴー…」 「…すー…すー…」 壁の2人は既に寝ていた。なんとなく、笑っていたのは気のせいではないはずだ。 白石はなんとなくほっとして、用意されていた毛布を2人の膝にかけた。 「ほら、あきら様も、風邪ひきますよ?」 「枕ない?」 「ひいっ!」 白石が毛布をかけようとした瞬間、あきら様が起きた。 あきら様は人差し指をたてて、しーっ!とする。 「ま…まくら?枕…ないみたいですね…」 「なんだ…あ、あった。」 「ふぇ?」 腕を捕まれる白石。 何のことか分かっていないようである。 「はい、仰向けに寝る。」 「は?はい…」 とりあえず言われた通りに寝る白石。 間をおかず、その二の腕に頭を置くあきら様。 「おぉ、ちょうど良いや、おやすみ…」 「え?!ちょ、あきら様?」 「変なことしたらぶっ飛ばすから…ね…」 「しませんから、きっと!」 「どう…だか…」 白石は、案外その近さに驚きを隠せずにいた。 しかし今は驚きよりも、疲労からくる睡魔のほうが勝っていたことは間違いない。 「白石…おやすみなさい…、」 「はい、おやすみ…なさい、あきら…様…」 変なことをする余裕もないくらいに、あっという間に2人も夢の中へ、連れ去られた。 あたたかい日だまりの中。 4人の寝息だけが、部屋の中から聞こえた。 コメントフォーム 名前 コメント 寝起きドッキリのバズーカをぶっぱなしたい。 -- 名無しさん (2010-06-13 17 38 42)
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「…………。」 「あの、あきら様…?」 「……の……か」 「へっ?」 「白石の…ばかあああっ!」 あたしはおもいっきり白石を殴ってから、街の中を走った。 こんなに走ったのは、きっと持久走以来だと思う。 全ては、アイツのせいだ。 この全身の疲れも、 止まらないこの涙も。 収録のとき、また白石と喧嘩した。 アイツ、あたしに刃向かうようになってから、喧嘩することが増えた。 アイツには、つまんないことかもしれない。 けど、あたしには重要なことで。 あいつは何もわかってない、 あたしのこと、わかったつもりでいる。 だから、大嫌い。 「あー、クリスマスかぁ…」 「そうですね、今日なんですね。僕気づかなくって。」 「…気づかなかった?」 「だって、クリスマスのときの放送って、事前に収録しちゃいますし。」 「あー…で、今日は1月放送予定だから?」 「そうですね、鏡割りなんてしてましたしね。」 「で?」 「…で、と言いますと…」 「収録終わったね?」 「終わりました、ね…」 「…………。」 「あの、あきら様…?」 あきら様が黙った瞬間、僕は何の間違いを犯したかと考えた。 あきら様の科白の空白部分に、なんの言葉が入るのかを考えた。 そして僕は面白いくらいに殴られた衝撃でひっくりかえり、 頭の中に光る星の数を数えた。 8つだった。 そして、目が覚めた。 「あれ?あきら様?」 あきら様のコートも鞄もそのままの位置にあったのに、 あきら様だけは居なかった。 僕はようやく事の重大さに気付き、残されたコートと鞄、そして僕のコートと鞄を抱えて、 白いドアを急いで開けた。 随分走った頃、僕はあきら様を公園で見つけた。 一人で、ブランコに腰掛けていた。 時計は午後8時を指している。 寒いのに、あきら様はいつもの格好で、 とても、寂しそうに。 「ねぇ。」 「…はい。」 「あんたは、あたしのこと、どう思ってるの?」 「あきら様は、僕の大事な人で、その、」 「その?」 「えっと…」 「言葉に詰まるくらいの薄い関係だっけ?あたしたち。」 「いいえ、そういうわけでは…」 「ふーん、じゃ、何?」 「何、とは…?」 あきら様は、ひとつため息をついた。 僕は、その姿が嫌いだ。 何か、すべてをあきらめている感じがして、 大嫌いだ。 あきら様は、ブランコから降り、 僕の前に立った。 僕は久しぶりに、 あきら様を正面から見たかもしれない。 まだ、こんなに小さかったのか。 顔も、耳も、手も足も、 まだ、ほんの14歳の子なんだ。 明かりに照らされて、 彼女はスポットライトを浴びているみたいで。 格好いいのに、今はそんな場合ではなくて。 僕はどうすることも考えられず、 彼女の前にひざをつき、 ただ、彼女を抱きしめた。 「ば、ばか、白石?!」 その体は冷え切っていて、 氷のように冷たいのに、 彼女の心の温かさが、 僕の全身に伝わってくる。 「なに、してんの…」 ごめんなさい、 彼女に言うことも出来ないほど、 その細い肩に僕は顔をうずめていた。 彼女が何を考えているか、 だんだん分かってきていた。 でも、それを口に出したときに、 全く違う、と言われるのが怖くって。 でも分かった。 僕は、彼女を理解しつつある。 それに、自信を持ってもいい。 「もっと、わがままでも、良いのに。」 「なに…言ってるの?」 彼女の頭をそっと、なでる。 顔が、すごく驚いてる。 めったに見ないような表情が、 僕にはとても新鮮に見えた。 「もっと…僕には正直で居てください。」 「え?」 「あきら様はどうして、そんなに我慢するんですか…」 「何を…」 自分の言いたいことを十分に言えない。 それを、僕にも同じようにする。 『僕』なのに? 『僕』は、あなたの、何なのですか。 「僕は、あきら様の隣に居るのに、どうしてそんなに我慢するんですか…」 「だって…」 「そして、何をして欲しいのか言わなければ、誰にも伝わらない。」 「……。」 「僕、あきら様が何を言いたいのか、分かりましたよ?けどね、」 「…?」 「あきら様の口から聞かないと、いやです。」 「なっ…」 「言ってください、あきら様の口から。このあと、どうしたいんですか?」 彼女は、一旦うつむいて、 また開いて、にっこり笑った。 「あたし、クリスマス、白石と一緒にすごしたいな…」 「もちろん、僕もあきら様と一緒に、今日を過ごしたい、です…」 あきら様は、いつものように笑って。 僕は、ゆっくり顔を近づける。 あきら様は驚いた顔をひとつ、 でも、ゆっくり目を閉じる。 さぁ、はじめましょう? 僕たちの、クリスマスを。 コメントフォーム 名前 コメント しろいしのくせに...... -- マッガーレ (2010-06-14 21 45 41) 白石のくせに……… -- 名無しさん (2010-05-21 02 47 29) 白石がカッコいいだと・・・ GJでした -- オビ下チェックは基本 (2009-06-29 03 33 09) こんな二人みてみたい・・ -- 名無しさん (2009-06-10 17 47 50) 白石キザだなぁ・・ -- 名無しさん (2009-05-26 03 43 00)
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「――様。あきら様」 「んあ?」 肩を揺さぶられて、小神あきらは目を覚ます。口端についている涎を拭って時計を見ると、十分ほど居眠りしていたらしい。 「こんな所で寝たら風邪引いちゃいますよ」 こんな所――スタジオの控え室、テーブルに突っ伏して寝ていたあきらを起こしたのは、同じラジオ番組に出演している白石みのるだった。 「白石……」 「はい?」 あきらはまだちょっと寝惚けたような目で、すぐ傍らの白石を見上げる。呑気そうな細目の面に、グーでパンチを食らわせた。 「私の体に気安く触んじゃないわよ」 「す、すみませんでした……」 もろに不意打ちを受けた白石は、赤くなった鼻をさすりながら謝る。こういう理不尽な扱いには慣れていた。 「ふぅ……」 あきらはため息をつき、天井を見上げる。 「あきら様、勉強してたんですか」 白石がテーブルの上に広げられていた教科書、ノートに目をやった。あきらは聞こえない程度に舌打ちする。 「あきら様ほど多忙になると、学校の授業もおいそれと受けていられませんものね。でもこうやって暇を見つけて勉学に励むなんて、さすがはあきら様――」 あきらはそっぽを向いて、白石の御世辞は右の耳から左の耳に流す。いよいよ耳障りになったら、また殴りつける気満々だ。 「でもあきら様、進学の方は今の学校の高等部に行けるんですよね? 無理して勉強しなくてもいいのでは――」 あきらは現在中学三年生。普通なら高校受験に気を揉む時期だろう。しかしあきらが通うのは私立の付属中。エスカレーターに乗れるのはほぼ確定しているので、そっち方面の心配は確かに無い。 が、 「私が勉強しちゃいけないわけ?」 あきらが軽くメンチを切ると、白石は慌てふためき言葉を引っ込めた。 「しっ、失礼しましたーっ!」 「ったく……」 あきらは不機嫌そうに舌打ちしながら、教科書・ノートを鞄にしまう。 「白石。あんた今、高校三年でしょうが」 「はい……」 「今のあんたが、この業界一本で食ってけるわけないんだからね。人のこととやかく言う暇あったら自分の――」 心配をしろ、と言いかけてやめておく。何で自分がこいつにそんなことを言ってやらないといけないのか、と。 「仰る通りです……あきら様は心配御無用ですよね。アイドルとしての地位を見事に確立されてますし」 白石の発言に、あきらのこめかみが震えた。 「……んなわけないでしょうが」 「え?」 「地位? アイドルの賞味期限なんてあっという間よ」 自嘲するように笑い、あきらは言葉を継ぐ。 「未熟さが金になるのはほんの僅かな時間だけ。業界には次から次へと、若い野心が集まってくる……一人の人間が長く同じ場所に留まっていられる世界じゃないのよ」 「あきら様……?」 白石にとって、意外と言うほか無かった。常日頃からスーパーアイドルを自称して憚らないあきらが、自分の生業をこうまで客観的に見ていたことが。 「じきに私も選ぶ時期が来る……退くか、進むか。子役からアイドルになる時が、最初の分岐点だった。あの時、私は進むことを選んだ。自分の夢が破れるなんて微塵も思っていなかった、子供らしい、無邪気な自信を持ってね」 酒も飲んでいないのにいやに饒舌だと、あきらは自分で思う。 「で、でもあきら様は、見事に夢を掴んだじゃないですか。アイドルとして」 「そりゃそうよ。あんた、高校生ならダーウィンぐらい知ってるでしょ」 「ダーウィン……進化論の人ですね」 「自然淘汰説よ。キリンの首がなぜ長いか? 長い奴らが生き残ったから。芸能界もそれと同じ。生き残る条件を備えた奴が生き残れる。夢を掴むことが出来る」 あきらは口端を歪め、不敵な笑みを浮かべた。 「だから私は生き残る。私には生き残れるだけの力があるからね」 いつものあきららしい言葉を聞いて、白石は心底ホッとした。 話が途切れた所で、ラジオのスタッフが控え室に顔を出し、収録が始まることを告げた。 収録は滞りなく終わり、白石はスタッフに挨拶してスタジオを出た。 出た所であきらに捕まった。 「すぐにタクシー呼んで。五秒以内」 「五秒って、子供じゃないんだから……」 白石はすぐ携帯でタクシーを呼ぶ。急いで来てくれるよう言ったが、どうしたって数分はかかる。 あきらは街灯が照らす道路脇で白石と並び、不機嫌そうな表情だ。 「しょっちゅう僕に送り迎えさせなくても、ジャーマネとかに車出して貰えばいいんじゃ――」 「あぁ? 不満なわけ?」 「いえいえいえいえ滅相も無い! 喜んで送り迎えさせて頂きますですはい!」 やってきたタクシーにあきらを乗せ、白石も乗せられる。方向が違っているのだが、文句など言えるはずもない。あきらのマンションまで行き先を告げると、運転手は低い声で返事して車を走らせた。 座席に深々と腰掛け、腕組みして黙りこくっているあきら。運転手も口数が少なく、車中の雰囲気は白石には重苦しかった。 「あ、ちょっと。そこのコンビニで止めて」 角のコンビニであきらがタクシーを止めた。財布から紙幣を一つ抜き取り、白石に渡す。 「酒買ってきて。ビールとウイスキー。あと適当に」 「ええっ……あきら様、そんな堂々と――」 「とっとと行けっつの」 急かされ、白石は仕方なくコンビニへ走った。ビールや酎ハイなどを適当にカゴへ入れ、レジに持っていく。私服なのが幸いだった。 マンションに着き、あきらがタクシーを降り、そして白石も降ろされた。荷物持ちである。 エレベーターを使ってあきらの住む部屋の前まで来た。酒の入ったビニールを提げている白石は、当然ここで帰されると思ったのだが、 「あんたも上がって」 「ええっ!? そ、そんな、いけませんよ、あきら様」 思いっきり動揺する白石。あきらはそんな白石を白い目で睨む。 「……何を変なこと考えてんの」 「あっ、いえっ、そんなっ、滅相もありません!」 「ハッ。どーせあんたが、私に手ぇ出せるような玉じゃないのは分かってるわよ。酒に付き合えっての」 「は、はい! 分かりました! あの、でも、あきら様のお母様は――」 父親は別居中で、あきらは母親と暮らしているはずだ。 「多分、男のとこ」 「……」 十四歳の口からそうサラリと言われては、何も返せなかった。 (父親は別居で、母親は不倫……何とも絵に描いたような……) あきらが捻くれるのも無理はない、と白石はため息をついた。 (それにしても、今日のあきら様は何か変だな……) 控え室での一コマといい、何かあったのだろうか。部屋に上がりながら、そんなことを考える。買ってきた酒をキッチンまで運んだ。 「冷凍庫にロックアイスあるから。あとその棚に柿の種とスルメ入ってるから出して」 言われるままグラスや氷の準備をする白石を横目に、あきらはダイニングのテーブルで早々とビールを空けていた。 「……ぷはぁーっ! 白石、あんたも飲め。一気にいけ一気に」 「はっ、いただきます」 グラスになみなみとビールが注がれ、白石は言われた通りそれを一気に飲み干す。 柿の種とスルメをツマミにして、あきらは景気よくビールを流し込んでいく。 一瓶空けた所で息をついた。体が小さい分、酒の回りも早いのか、顔は真っ赤だ。 「ふぅー……白石ぃ、飲んでるかぁ?」 「はいっ、飲んでます!」 ペースとしてはあきらの半分ほどだが、白石も飲んでいた。まだ素面だが。 「でもあきら様、もう少しペースを落とされた方が――」 白石の言葉を無視して、あきらはウイスキーの瓶を取り、自分でオン・ザ・ロックを作る。慣れた手付きだった。 グラスと氷がぶつかる澄んだ音を響かせながら、琥珀色の液体をグッと煽る。飲み終えた姿勢のまま、額から机に突っ伏した。 「あ、あきら様!?」 大慌てで白石が抱き起こす。 「ん~……」 あきらは朦朧とした様子で目を開ける。 「飛ばしすぎですよ。まだそんなに飲める年じゃないのに……」 「うっさいわねぇ……私の勝手でしょうが」 「そんなわけにいきませんよ。あきら様はアイドルなんですから。自分一人の体と思わないで下さい」 「けっ……」 舌打ち一つして、あきらは空のグラスを手に取る。まだ飲む気なら、何とかして止めようと身構える白石。 「……白石」 「は、はい」 「……水ちょうだい」 ホッと胸をなで下ろす白石だった。 「あきら様、何かあったんですか?」 酒瓶やグラスの後片付けをしながら、白石が尋ねる。 「別に……」 まだかなり酔いが残っている。あきらは赤い顔を白石から背けた。 「……ひょっとしてあきら様、自分の進路について考えてるんじゃないですか?」 「……」 あきらはグラスに少し残った水を飲み干し、口を開いた。 「私は今まで、アイドルとして芸能界で生きてきた」 あきらは空になったグラスを手で弄びながら、視線を宙に浮かせていた。 「でもずっとこのままじゃない。アイドルの賞味期限なんてあっという間……いずれは選ばなくちゃいけない。女優か歌手かタレントか、どういう分野を選ぶにせよ、私はこれからも芸能界で生きていくつもり」 「あきら様なら、きっとどの分野でもやっていけると思います」 「でもさ……」 あきらは急に声のトーンを落とし、顔を俯かせた。 「最近になって、ちょっとだけ……もし私がアイドルになってなかったら、って考えるんだよね」 「あきら様……?」 「もしそうなら、私も普通に学校行って、普通の友達作って、受験勉強に頭抱えて、家だってこんな……おかえりを言ってくれるような人もいない、こんなのにはなってなかったんじゃないかなー……って」 あきらの両親の不和は、あきら自身が負い目を感じるようなことがあったのだろうか。部外者の白石には知るよしもない。 小さな声で呟くように話すあきらは、普段の威勢の良さが無く、いかにも心細げだった。 「……あの」 口を開きかけた白石を、あきらが手の平を上げて止めた。 「自分で分かってるから何も言わなくていい。ただの無い物ねだり、愚痴よ」 あきらはグラスを白石に差し出した。 「水、おかわり。だいぶ酔ってるわ。何であんたなんかに、こんな話してんだか……」 白石は冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出す。 冷えた水を一息に飲み、あきらは大きなため息をついた。 「……今日はこれでお開きね。まだ電車動いてるでしょ」 「あ、はい」 白石は自分の鞄を取った。あきらは椅子に座ったまま。見送る気などさらさら無いらしい。 ダイニングを出る間際、白石は振り向いて言った。 「あきら様。キリンの首の話ですけど、僕はダーウィンじゃない方のが好きです」 「ん?」 「キリンの首が長いのは、高い所の草を食べるために首を伸ばし続けたからっていうやつです」 「へっ……信じれば空も飛べるってか?」 嘲るような笑みを浮かべるあきらに、白石は明るく笑い返した。 「空は飛べませんけど、僕もいつかあきら様みたいなスターになるために、首を伸ばし続けるつもりですから。それじゃあ、失礼します。お疲れ様でした」 深々と頭を下げて、白石はマンションを出て行った。 誰も居なくなった部屋で、あきらは一人、空のグラスに口を当て、 「……ばーか」 虚空に向かって呟いた。 おわり コメントフォーム 名前 コメント うーむ。深いのう・・ -- 名無しさん (2009-05-07 14 49 15) あまーーーーーーーーーーーい? -- ぢょう (2008-12-20 11 22 01) 酒・・・ -- 名無しさん (2008-08-06 16 56 36)
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あきら「おはらっきー☆さあ始りました、らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらで~す☆」 白石「アシスタントの白石みのるです」 あきら「白石さん、今日は何の日かわかります?」 白石「今日は聖バレンタインの日!乙女たちが愛する人に―」 あきら「ケッ!な~にが聖バレンタインよ!」 白石「え~とあきら様?………」 あきら「今日はあたし、スーパーアイドル小神あきらの誕生日!!」 白石「え!そうだったんですか!?…そ、それはおめでとうございます」 あきら「別に~アンタなんかにに祝われても嬉しくないし~」 白石「でも、ここの住人の方も祝ってますよ」 あきら「はぁ?ニートやヒッキーどもに祝われてもキモいだけだっつうの~」 白石「そ、それはヒドすぎですよ!?」 あきら「いいのよ!どうせ一部のマスコミが作ったイベントに流されてるような奴等なんだし!誰がこのスレのメインヒロインかわかってないのよ!」 白石「はぁ(移転してから出番ないからって怒ってるな~)」 あきら「って聞いてんの!?白石!!」 白石「…ええ?はい、はい?」 あきら「だからゲストよ!ゲ・ス・ト!」 白石「ゲストですか?」 あきら「そうよ!あたしを祝うためのゲストをと~ぜん!用意してるんでしょ?」 白石「し、してるんですかね?」 あきら「聞いてんのは、あたしだっつうの~!!」 白石「ちょ、あきら様!物を投げないで!え、何?ゲスト呼んである?…あ、あきら様!ゲストを呼んでるみたいです」 あきら「呼んで…ってホント!?白石さん、早く呼んで呼んで~」 白石「………。わ、わっかりました!どうぞ!!」 シン「ど、どうも」 あきら「わぁ~!シンお兄ちゃんだ!!」 シン「誕生日だってきいてさ…これプレゼント」 あきら「なんだろ~?わぁ~リボンだ!!あきら超うれP~」 シン「よかったよ、喜んでもらえて」 白石「残念ながら、もう時間が来てしまいました。あきら様最後に一言お願いします」 あきら「今日はわたしの誕生日を祝ってくれて、みんなありがとう~。これからもがんばりま~す☆」 『バイニ~!!』 ガチャン 白石「よかったですね~あきら様」 あきら「まあ、嬉しいんだけど…小ネタで祝われるってサブヒロインっぽくない?」 白石「そ、そんなことないですよ!なあ、シン?」 シン「そうだぞ、主役なのに最終―」 プツン 前 戻る 次
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あきら「「らっきーちゃんねるぅー♪♪♪」」 あきら「どぉーも♪みんなのGOLFならぬみんなのアイドルあきらでぇーっす♪」 みのる「ども、白石みのるです」 あきら「ねぇーねぇー?みのる君?唐突だけど質問していーい?」 みのる「はぁ…何でしょう?あきら様」 あきら「『はにわり』って何て意味なのぅ?」 みのる「Σえっ!?は、はにわりですか?」 あきら「他スレの 7さんから分からないって質問が来てるの…だからみのる君なら知ってるかなって思ってね?」 みのる「は…はぁυ」 あきら「それで知ってるの?」 みのる「ま、まぁυ世間一般の常識の範囲内程度でしたら存じ上げておりますが…」 あきら「教えてぇ♪」 みのる「えぇーーーっと…あきら様は知らないんですか?」 あきら「はぁ?知らないから聞いてんじゃない?」 みのる「そうですよねυ」 あきら「あのねぇー?勿体振ってないでさっさと教えなさいよぅ?あ…なに?それともアンタも知らないんじゃないの?」 みのる「いえυそんな事は…」 あきら「ほら!?早くぅ?」 みのる「い、良いのかなぁ?あのですね?ボソボソ(耳打ち」 あきら「あん?あぁ…あぁ…それで?あぁ…あ……へ?え!?それって!!!?(真っ赤」 みのる「…って意味なんですが、あれ?あきら様?」 あきら「………………(真っ赤になり振るえてる」 みのる「Σちょ!!!?あきら様ぁーーー!?」 あきら「ぅ…う……ぅえ……ひっく………」 みのる「Σえ…あυ止めて!?カメラ止めて!?」 ヒュ…ブツ チャンチャラ~ン♪ 【只今電波が乱れております】 チャンチャラ~ン♪ パッ みのる「…え…映ってる?えぇー…っと、大変申し訳ありませんでしたυ放送電波の乱れにより放送が中断してしまった事深くお詫び申し上げます」 あきら(人形)「……………」 みのる「そうですね♪皆さんも大変楽しみにしてますから放送事故だけはやってはいけないですよね~?」 あきら(人形)「……………」 みのる「えっと…υそ、それでは時間も差し迫って来たので今週はこの辺で…」 【らっきーちゃんねる♪END】 みのる「えっと、あきらさんの具合は大丈夫ですか?…って、痛!?痛い!!あきらさんやめ…物投げないで!!!」
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「おはらっきー☆小神あきらです!」 「白石みのるです!」 「今日は、重大発表があります!」 「なんでしょー」 「このたび、私、小神あきらと」 「白石みのるは」 「「結婚することになりましたー」」 「拍手ー♪」 4月1日。 突然ラジオからこの声が流れてきて、 あたしははっとした。 あきら様と、師匠が、結婚?! ってかあきら様まだ結婚できない歳じゃなかったっけ、 女子は16歳から、だったよね…? 男子は18だから…もう師匠は18だからいいのか、 って待てよ、 あきら様はさんじゅうn いやなんでもない。 きっとあたしの勘違いだ。 何でもいいけど、あきら様と師匠か… あぁご祝儀とかどうすればいいんだろ? 柊に聞くしかないな! 「これからも仲良くラジオをやっていきますので、みんなよろしくねー☆」 「ということで、今日は臨時放送でお伝えしました!」 「ナビゲーターの小神あきらと」 「アシスタントの白石みのるでした!」 「あ、でも結婚したら白石あきらだね、なんかまぬけだ!」 「それは僕の苗字がまぬけなんですか?!」 「まぁいいや、ということで、」 「いいんだ!」 「「ばいにー☆」」 ラジオから耳を離した瞬間、 あたしの耳は携帯電話へと引っ付いていた。 発信するのは、あたしの携帯から、 もちろん、柊の携帯だ。 5コール目でやっと電話を取った柊は、 なんだかいつもよりもおっとりしていた。 「もしもし柊?!」 「な、なによー春日部ー」 「日下部だってヴぁ!」 「知ってるよー?で、なぁに?あたし温泉掘らなきゃならないんだけどー」 「それは大変だな、それでさぁひいらぎぃ、」 「(…つっこまないんだ)」 「あきら様と師匠が結婚するんだって!あたしゃびっくりだよ!」 ……約10秒の間があいてから、 電話口で柊が何か絶叫していた。 「おねぇちゃーん」だったかもしれない。 よく覚えてないんだけど、とりあえず柊も慌てていた。 それからまたちょっとして柊の声がした。 …いつもの柊だ。 さっきまでのはなんだったんだろう? 「ちょ、ぬりかべ、どういうことよ!」 「み・さ・お・だ!日・下・部・だ!!」 「なによ今更」 「今更なんていうな!!!」 「サーセンwww」 「だから、あきら様と師匠が結婚するんだってヴぁ!」 「…は?」 「だから!あきら様と白石さんが!」 「結婚…?」 「そう(゚Д゚)!」 「ほ~…いいんじゃない?」 「はえ?」 「2人ともうまくいってるってことよ!」 「そ、そうか!ご祝儀ってどうすればいいんだ~?」 「え?ご祝儀?」 「ほら、お祝いにご祝儀もって行かなきゃだろ?」 「あぁ、そういえばそうね…どうしよう、あんたはミートボールでもいいんじゃない?」 「そか!さんきゅー」 「どいたしましてー」 ということで、 あたしは柊と柊妹と一緒に、師匠とあきら様夫婦に会いに行くことになった。 ~後日~ 報告:白石みのる どうも、白石です。 あの、放送の後に大変な反響をいただきました。 本当に、びっくりしました。 …でもあれを思いついたのは、あきら様なんです。 エイプリルフールの日に臨時放送を流して、 リスナーさんをびっくりさせよう、って。 なぜかその企画がラジオの局でもOKになってしまって。 収録は前の日にして、エイプリルフールに流したのですが… 「ちょっと白石!あんたも手伝ってよ!」 「あぁぁちょっと待ってくださいあきら様!読んでくださる方への説明が先です!」 「んなこといらないの!はやくー!」 「あ、ちょっと、まってください!」 あーもう、とりあえずどうなってるか、 一緒に来てもらえますか? この部屋らしいのですが… 「ねぇ白石、ここ空けていいの?」 いいらしいです、空けてください。 …あきら様が黙ってしまったので僕が代わりに。 そこにいたのはみさおさん、かがみさん、つかささん。 歴代の、らっきー☆ちゃんねるを一緒に作った人たち。 それに。 リスナーの人がたくさんいて。 「あきら様、白石くん(さん)!」 「ほ、ほへ?!」 「「「「ご結婚おめでとうございます!!!!!」」」」 「…あの、あれ?」 「…えっと、あの放送は、エイプリルフールの冗談d」 「いやーめでたいねぇ!結婚かー(にやにや)」 「まさかねーセバスチャンがねー(にやにや)」 「師匠やるなー(にやにや)」 「わいわいがやがや(にやにや)」 「…だから、それは、エイプリルフールの…」 「あきら様、もう放っておきましょう…」 さて、あきら様、 僕と結婚する気はありませんか? え、ないって、そんな! じゃぁなんでこの企画を思いついたんですか?! 思いつき?! またそんなことをいう!まったくもう! あ、あ、あきら様ったら…! 別に、す、好きだなんていいませんよ?! 愛してるだなんて、言ってあげないんですから! ってあきら様? 顔赤いですよ?熱でもあるんdげほっ 報告:日下部みさお あんな放送をしたのだから、 嘘と気づかずに本当に祝ってしまえ、 ということになった。 これは、あたしだけじゃない。 実はネット上でものすごい勢いで これに対する意見が飛び交っていたらしい。 あとでちびっ子に聞いた話だ。 これは単なるエイプリルフールの悪戯だ いやしかしその前の日に収録しているはずなのだから こんな気持ちがあるに違いない、 だからあえてそれを真に受けて、 結婚おめでとう会とか開いたらどうだろう という話に勝手になり、 どこからそんな話になったのか、 いけるリスナーみんなで祝賀会を開くことになった。 扉を開いたときの師匠とあきら様の顔といったら。 (゚Д゚) こんな感じだった。 いや、本当に。 でもこれは放送したほうが悪い。 本当にその気があるんだと思わせるほうが悪い。 ってか本当にそうなるんだろ? な、師匠? 四月馬鹿は、 あんたたちだよ? 師匠、あきら様? コメントフォーム 名前 コメント
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「あ…あきら様?」 「うぅ…うぐっ…」 「あ、あきら様?どうしたんですか?あれ?」 「怖かったよぉぉぉ!うわぁぁぁん!」 「もう、大丈夫ですから、…ね?」 思い切り、抱き締める。 もう離したくない。 絶対に、離さない。 自然にそれが出てしまったのが、事の始まりだった。 まさか、厄介なことになろうとは… 『たやすい難問』 僕達は、とあるロケ現場に着ていた。 企画を知らされたとき、僕達は反対しようとしたが、もう既に決まっていたことだった。 「僕達」というのは、僕とあきら様のことだ。 いつの間に、僕達は2人で呼ばれることが多くなった。 何故かはわからない。 さて、そのロケ現場とは… 「…病院?」 「どこのですか?」 「××県の〇〇町ってところなんだけど…」 「××県?!遠っ!」 「まさか…泊まりですか…」 「そうだよ。学生の君たちに頼むのもアレなんだけど…」 「けど?」 「もう学校には許可取ってあるから、大丈夫だよ。」 「そういう問題なんですか?!」 「はやっ!」 「で、当日は歩くから、動きやすい格好で。あとお祓いも行くから、」 「「お…お祓い?」」 「あ、うん、そうだけど。」 「……その企画って、まさか……」 「心霊企画だけど。」 僕達はプロデューサーからの話を聞いて唖然としていた。 心霊企画のロケに駆り出されたのだ。 もちろんあきら様も僕も、怖いものは苦手。 だから企画来たのかな…後で事務所スタッフに詰め寄ろう。 そして案の定、道の途中で、あきら様はあまりの怖さに泣き出してしまった。 僕の腕に痛いくらいにしがみついて、ぼろぼろと涙を溢す。 恐らくここからテレビをつけた人は、僕があきら様を泣かせた、と思うだろうな…。 泣かせてませんよ!決して! あきら様を泣かせるのは、布団の中だけで十分です! 妄想ですけどね! しばらくまた歩かされて、トンネルの中へ入った。 ここからは全く聞いた話だ。 僕がトンネルの中をダッシュしたらしい。 みんなを振り切って、突然。 あきら様は僕を追いかけてきたらしい。 一頻り走って、一人でトンネルの中で佇んでいた。 そこにあきら様と、クルーが到着した。 僕は何かを唱えながら手を拡げていたらしい。 それが唱え終わると、僕は膝から崩れ、あきら様に支えられていたらしい。 らしい、というのは、僕の意識がトンネルの前で無くなってしまったからだ。 今考えると怖いのだが、僕自身、なにをしたか、全く覚えていない。 何を唱えていたのかも、全くだ。 記憶に、ないのだ。 そこで、話は冒頭に戻る。 僕は膝が地面についた衝撃で、自分を取り戻した。 目の前にはあきら様の顔があって、息が上がっていて。 よくわからないけど、僕は彼女を抱き締めた。 強く、強く。 僕は、ここにいるんだ、とわかってもらう為に。 「白石が…白石がぁ…っ」 「あきら様、僕は大丈夫ですから…」 「大丈夫じゃなかったぁぁ…ひっく、ひっく」 髪をくしゃくしゃと撫でてあげる。 僕は、自分が何をしたのか覚えていないのに、何故か、彼女を悲しませた気がした。 「白石、もう、大丈夫なの…?」 「えぇ、大丈夫ですよ?ちょっと記憶はないですが…」 「あたしのこと、分かる?」 「あきら様ですよね?」 「よかったぁ…白石が、違う人に、なっちゃったかと……」 あきら様は、僕にまた抱きつき、涙を流し続ける。 余程怖かったんだろう、すごく心配してくれたんだろう、と思う。 「心配かけて、ごめんなさい…」 「本当だよ」 「でも、もう大丈夫ですから、」 「バカ…」 「ね?元気だして…」 そっと、彼女のおでこにキスをする。 彼女は泣きながら笑って、僕の頬に、可愛いキスをくれた。 そこまではよかった。 僕達のすぐ後ろから、ある人が声をかけた。 「あきら様に…白石?」 「「はいっ」」 「いつまでそうしている気なんだ?」 「「えっ…?」」 あ、あれっ? カメラ、まわって… 「あ、ああ、あああっ!」 どうしましたか、あきら様、顔、赤く… 「いや、いいものを見せてもらいました。」 「いいね、青春だね…」 「怖がる彼女を抱きしめて離さない、うぅん、絵になるねぇ…」 「これは放送して良いのかな?良いよね、良いんだよね?」 ………はっ。 僕はあきら様をめごめごしながら気が付いた。 これ、撮影してるんだよね。 ね、あきら様…って、あきら様? 「ぎゃあああああああっ」 「うおっ?!」 「離せ、白石、この腕!」 「嫌です!」 「馬鹿、離せ!離せ!」 「よいではないか~よいではないか~♪」 「良くない!馬鹿!はーなーしーてー!」 「あ~あきら様ったら可愛いなぁ…」 「デレるな気持ち悪い!」 「あきら様可愛いいいい!」 今まで恥ずかしくて出来なかった頬被りをしてみる。 あきら様は顔を真っ赤にしながら僕を叩きまくる。 もう、離したくないんだ。 だから、もうこの際、放送できないくらいのことをしt 「こぉのっ!変態がっ!」 彼女の渾身の右アッパーを喰らいながら、僕は考えていた。 彼女との関係を公表することができたのならば、 僕達はこれから、メディアの上で、どう振る舞えばいいのだろう? 開き直ってしまうべきか? このラブラブぶりを全世界に放送すべきなのか? いや、でも彼女を困らせるだけだろうか? 僕は、このたやすい難問を抱えながら、 あきら様を好きでいることに、決めた。 「あきら様?好きですよ!」 「分かったから!離れて!」 「ひゅーひゅー」 「あきら様は?僕のこと好きですか?」 「死んでもこんなところで言うもんかー!!!」 (ばちこーん) 「ぎゃー」 おわり コメントフォーム 名前 コメント ニヤニヤしてしまいますね( ̄▽ ̄) -- 名無しさん (2010-06-14 18 37 22) いいっす -- kokonntouzai (2009-05-07 05 19 15)
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「―すると、どこからともなく水の滴る音と、そしてフスマを開く音が聞こえてきます」 「……」 「ぴちゃん、すー…ここでもない」 「……」 「その音は少しずつですが確実に近づいているようで…ぴちゃん、すー…ここでもない」 「………」 「そしてフスマがガラっと勢い良く開いて突き落としたはずの女がニヤリと笑って『ここにいたのかあぁぁぁ!!』」 「ひみゃあぁぁぁぁぁ!!」 ズドンっ!! 「ぐふぉあっ!?」 白石は怪談話のオチを話すと同時に、あきらの体重の乗ったボディブローを受けて意識が落ちた 「…あんたが悪いのよ」 「はあ…すみません、やりすぎましたか」 「まったく…アンタ調子に乗りすぎなのよ」 「申し訳ないです…ところであきら様?腕を離してもらえませんか?」 「…やだ」 ひなびた旅館の一室 白石はむし暑い部屋の中であきらをアグラに乗せて、抱きしめるようにテレビの前に座りこんでいた 「て言うかなに?あたしにベタベタされるのが嫌だっての?」 「いえ、それは僕的にとても大歓迎なのですけど」 「けどなによ」 「その…腕に胸、当たってますよ」 「……アンタいまさらそんな事気にするの?あたしの隅々まで見るどころか味わい尽くしてる癖に?」 「あきら様、それ直接的すぎます…なんと言うか、嬉しい反面照れ臭いんですよ」 「ふぅん…」 ニンマリとチェシャ猫の笑みを浮かべて後ろに手を回す 「こっちは素直なのにねえ?」 「ちょっなにしてるんですか!?」 「なにって、アンタのしてほしい事」 ニヤニヤしながら浴衣の中でソレを探り当て、小さく柔らかな手で包みこむ ゆっくりと焦らすように、だがポイントを的確に刺激しながら、上目使いで顔を覗き込んでくる 「もうやる気まんまんじゃん」 「…あきら様も最近馴れて来ましたねー」 「攻められるだけって性に合わないからね。ほらほらどうよ?」 「はあ…では僕も」 すい、と彼女の襟元に片手を入れ僅かに膨らんだ柔肌を爪先で軽く撫であげる 「ひっ…ちょ、いまはあたしがぁんっ!?」 ―つつ…さわさわ… 円を描くように表面を優しくなぞり抗議の声を押さえ込む 「あきら様やっぱり可愛いです。あ、鳥肌たってますよ?」 「っるさい!!」 「…コレ、好きですよね」 言いながらツボミのように小さいながらも自己主張している先端を、くりくりと転がす その刺激に思わず手を止め腕を抱き締めてくるあきらに満足して、けれど指の動きを徐々に早めていく 「ふっ…うぅん…それ、だめ…」 「そうですか?でもほら」 「きゃうんっ!?やっ摘んじゃだめぇっ」 「今日は本当に敏感ですねー…」 「そん、なっこと、やぁ…ないわよばかぁっ」 「そうですか?ならこっちは…」 するすると手を下ろしていく 小ぶりな胸から細い脇腹、可愛らしいヘソを通り― 「…あ、浴衣だから下着履いてないんですね」 ―開きかけた幼いソコに、触れた 「ふわぁっ!?やぁっ…ぁ…ぅんっ」 「もうヌルヌルですねー…音、聞こえます?クチュクチュって」 「いやぁ…は、くぅん…言うなぁ…ぁああっ!?」 指がクリトリスをかすめた瞬間、雷に撃たれたようにビクンっと体を跳ね上げる 「…もしかしてイっちゃいました?」 「…あぅ…聞くなよばかぁ…っふぁ!?だめっちょっまだぁあぁぁっ!?」 「ほんと、可愛いですよあきら様…いっぱいイってください」 絶頂に達した体に容赦無く苛烈な攻めを加え、涙目で悶える彼女を強く抱きしめる 華奢な体を鮮魚のように震わせ必死に腕にすがり付いてくるあきらを愛しく思い、思わず秘所を繰る指も複雑さを増す 「だめっ!だめぇっ!!あたっあたしっ!うあぁっ!?こわっ壊れるうぅっ!!」 「壊れても、いいですよ?」 「ふやっ!?あ、ふ、あぁぁっ!?っんくっ!!は、あぁっ!!」 連続する快楽の奔流は、それから10分程彼女の肢体を駆け回った コメントフォーム 名前 コメント ってか白石がいけめそに見えたw やっぱこのssいいな GJ -- 名無しさん (2010-12-28 12 37 12) 白石・・・侮れん奴。 -- kk (2010-12-22 01 01 20) あきら様受けか -- 名無しさん (2010-12-21 19 00 09)
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白石「あきら様。弾丸の用意ができました。この高台からならあきら様の力でも雪合戦を有利にーーーー」 あきら「んじゃどうぞ」 白石「は?」 あきら「アイドルは~お手てを冷やしちゃいけないの。……だからはよいってこんかい!!」 坂の縁にいる白石の背中を蹴るあきら様 白石「WAWAWAわぁ~」 かがみ「何よあのでっかい雪玉!?」 つかさ「せっかく作ったの持って行っちゃった」 みゆき「かまくらを作る時は塩を……あら全部持っていかれなくても」 シン「俺のホワイトデスティニーが白石に取り込まれた!?」 みなみ「……」 前 戻る 次